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コラムCO2削減

環境に優しく物流を効率化!モーダルシフトの取組事例

2020.03.23

物流効率化

Amazonや楽天市場などのネット通販や、メルカリやヤフオク!などのフリマアプリなど、消費者向けのEC市場は年々拡大。自宅に商品が届く便利な生活は今や当たり前となり、経済産業省によると2018年度の国内BtoC-EC市場が18.0兆円に成長したそうです。

この便利な生活を支えているのが、物流です。しかしその物流のプロセスでは、気候変動の原因でもある多くのCO2を排出し、環境問題にもなっています。

そこで各組織や企業が取り組んでいるのが、「輸送の効率化」や「モーダルシフト」などの解決策です。今回は私達の生活を支える物流企業の環境に優しい取り組み事例を紹介します!

生活を支える輸送業においての輸送の効率化による環境保護

日本が年間で排出するCO2の排出量のうち、運輸部門からの排出量は約2割を占めているといわれています。そのうち、物流に関わる貨物分野が占める割合は運輸部門のなかの4割、全体の8%。私たちの便利な生活は、多くのCO2を排出しながら成り立っています。

しかし、生活には欠かせないものだからこそ、企業は物流におけるCO2削減にむけて熱心に取り組んでいます。その2社の取り組みをご紹介しましょう。

モーダルシフトとは?輸送の効率化を大規模で解決する働き

物流効率化に向けた取り組みとして、注目されているのが「モーダルシフト」です。「モーダルシフト」とは輸送の転換のことを指し、主にトラックなどから鉄道や船などの一度に大量のものを運ぶことができる運輸方法にシフトするさいに使われる表現です。

例えば、少し前の資料になりますが、平成19年度の「国土交通白書」ではモーダルシフトに関するデータが掲載されています。その試算「福岡県~東京都間輸送時のモード別 輸送時間・費用・CO2排出量の試算」によると、自動車で行った場合の値を100とした場合、輸送手段を船舶や鉄道に変えるとCO2 排出量は

・船舶の場合のCO2排出量:自動車の3分の1の32
・鉄道の場合のCO2排出量:自動車の5分の1の19

と激減します。もちろん、輸送時間はかかります。同じく自動車の値を100とすると

・船舶の場合の輸送時間:自動車の2.2倍の226
・鉄道の場合の輸送時間:自動車の1.5倍の145

となります。輸送手段によるCO2排出量の違いはこんなに大きいですが、このことを知っている消費者は多くありません。また、モーダルシフトは、環境に与える害を減らすだけでなく、道路混雑の緩和にも役立つとされています。

キューピーによる輸送の効率化によるCO2排出量の削減

物流効率化

それではここで、積極的に物流のCO2削減に取り組んでいる2社の事例をご紹介します。まずはキューピー株式会社です。キューピーでは、商品の配送の際だけでなく、原料の輸送の際にも効率化を図っています。

2018年度では商品の配送の際のCO2排出量は、前年比約93%と削減。2年連続で前年比から減っているので、輸送の効率化が上手くいっているということがデータからもわかります。

輸送の効率化にあたりキューピーは、

・配送地域に応じた生産拠点の最適化
・輸送・配送ロット効率の向上による配送頻度の削減

・中継輸送の抑制
・商品在庫の適正化による外部倉庫の使用抑制

などの取り組みを行っています。輸送の効率化のための配送料の工夫だけでなく、配送する車両にも工夫をほどこしています。

環境保護のために、メーカーと共同で開発したのが、1台で3温度帯(冷凍・チルド・常温・加温の中で最大3温度が選択可能)をカバーできる自動車です。またキューピーではエコドライブやモーダルシフトなども行っており、輸送の効率化や環境保護に力を入れています。

サントリーのモーダルシフトによる輸送の効率化

物流効率化

サントリーグループでは、中長距離の輸送に関しては積極的にモーダルシフトを取り入れています。そもそもの輸送が効率化されたこともありますが、現状のモーダルシフト率は約5割程です。

国土交通省によると、1トンの貨物を1キロメートル運ぶときに排出するCO2の量は、営業用トラックと比較すると

・貨物鉄道では11分の1

・船舶では6分の1

です。サントリーグループでは現状船舶での輸送が約4割を占めているので、CO2排出の削減が実現できています。

モーダルシフト以外にもサントリーグループは、効率的でユニークな方法でCO2排出量を減らしています。たとえば、包材メーカーの荷物や、電化製品などを取り扱う他社の荷物と一緒に自社の製品を運送しているのです。

他社の荷物を一緒に運ぶだけでなく、輸送依頼情報をサントリーグループが情報整理し配送支持を出すことで、より少ない台数で、より効率的に運送を行っています。

また配送自動車だけでなく、配送コンテナにも同じような工夫をほどこしています。コンテナを往復利用する際に、自動車での取り組みのようにコンテナを他社と共同利用しているのです。

国内をめぐる輸送船舶に積むコンテナを共同利用することで、CO2排出の削減に取り組んでいます。このようにサントリーグループでは小規模から大規模まで工夫を重ね、CO2の排出量を減らしていく試みを続けているのです。

最後に

私たちの生活を支える物流の現場では、さまざまな工夫をしてCo2の排出量を減らしています。

大規模な取り組みは個人では難しいかもしれませんが、今回紹介した大企業も小さなことを積み重ねることによって大きな成果を出しています。ですので、私達も一人一人が環境問題への当事者意識を持つことが大切なのではないでしょうか。

(ライター:山田浩平)

<参考資料・記事>

・「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」(経済産業省)

・「モーダルシフト等推進官民協議会 中間取りまとめ」(国土交通省)

・「平成19年度 国土交通白書 第I部 進行する地球温暖化とわたしたちのくらし~地球温暖化対策に向けた国土交通行政の展開~」(国土交通省)

・「物流における取り組み 」(キューピー株式会社)

・「地球温暖化対策 物流での取り組み 環境に配慮した物流の実践」(サントリーグループ)

・「環境面から見た貨物鉄道輸送」(国土交通省)


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