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取組紹介CO2削減

物流の効率化法と実際の取り組み事例

2020.01.30

平成28年10月に「物流総合効率化法」という法律が、一部改正されたのをご存知でしょうか?現在、人手不足や労働者の高齢化、ネット等の電子商取引の拡大などにより、物流業界全体に求められているのが、生産性の向上と効率化です。

そんな背景を元に、今回の記事では「物流の効率化」と企業の実際の取り組みを紹介していきます。

ここでは

・実際の法律の概要
物流効率化の方法やメリット
・取り組み事例

についてまとめています。3分程度で読めますので、物流効率化への第一歩にむけて、ぜひご一読ください!

物流の効率化のための法律

まずは、冒頭に触れた「物流総合効率化法」の概要について説明していきます。

国土交通省が主導するこの法律の正式名称は、「流通業務の総合化および効率化の促進に関する法律」。国土交通省によれば、この法律を通して、国際競争力の強化・環境負荷の低減・労働力の確保を目的としているそうです。平成28年度の改正により、「モーダルシフト」「輸配送の共同化」「輸送網の集約」といった流通業務の効率化に取り組む事業に対して、認定されれば、税制特例を始めとする支援措置を受けることができるという法律になっています。

物流効率化の方法・メリット

では、流通業務効率化の具体的な方法やそのメリットを見ていきましょう。

モーダルシフト

モーダルシフトとは、トラック等での輸配送を鉄道や船舶の利用に転換することです。特に、CO2削減に関して非常に有効な手段となります。例えば、1トンの貨物を1km運ぶ時に排出されるCO2の量を比較すると、トラック240gに対して、鉄道は21g、船舶は39g。輸送の方法を変更するだけでかなりの排出量を抑えることが可能です。当然、一度に大量の輸送ができるのもメリットになります。

(参考:国土交通省:モーダルシフトとは

輸配送の共同化

従来、会社が違えば同じ行き先でも各々のトラックで輸送していました。しかし、輸配送を共同化することで大きなメリットを享受できるのが新しい考え方です。例えば、大手ビール会社4社が製品をある拠点に集積させ、そこから共同で輸送する取り組みを行いました。すると、削減された効果として

  • ドライバーの運転時間5,300時間
  • トラック台数、年間約800台

が達成されました。4社合計のCO2削減量で言えば、約330トン。コストや環境の面からも非常に大きなメリットがある輸配送の共同化です。

(参考:ビール大手4社の共同輸送列車スタート

輸送網の集約

輸送網の集約では、法律改正後に初めて、国土交通省が2件の事例を認定しました。

味の素物流が申請した青果品の輸送では、複数台で輸送されていたものをエリアごとで1台に集約。結果的に、

  • 平均積載率:30%からほぼ100%ヘ
  • CO2削減量:194.6トン
  • 省力化:4032時間

と、かなりの効果を発揮しました。やはり、この事例でも、コスト削減や効率化のみならず、環境への負担も軽減するというメリットが見られます。

(参考:物効法改正後初、素材・青果物の集約輸送認定

物流効率化のためにできる手軽な取り組み

ここまで、すでに3つの事例も交えながら、物流効率化の方法やメリットを解説してきました。そして、ここでは作業効率化に関して、より取り組みやすい事例を紹介します。

株式会社キーエンス「物流効率化のキホン」をもとに、どの企業でも実践できる確認すべきことを見ていきます。物流現場の作業効率化で手軽にできる取り組みは、大きく2つあります。

1.社員の日ごろの心がけを徹底する「5S」

5Sとは、ズバリ「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」です。この「5S」は

整理:不要なものを捨てること
整頓:使いやすく並べること
清掃:きれいに掃除し、点検すること
清潔:きれいな状態を維持すること
しつけ:きれいな状態を維持する習慣を持つこと

を指しています(「社員の日ごろの心がけを徹底する5S」株式会社キーエンス)。同社のサイトでは、ドライバー目線の5S 、物流センター目線の5Sが紹介されており、「物流効率化のキホン」としてPDF版の資料がダウンロードできますので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。

5Sは当たり前のことですし、また物流だけでなく、どの業界にも当てはまります。ですが、当たり前だからこそ徹底ができていないこともあります。小さなミスが、物流の効率化を妨げてしまうことは往々にしてあるからです。細かなことですが、細心の注意を払って取り組みましょう。

2.「3M」を取り除く

3Mとは、「ムリ・ムダ・ムラ」です。この「3S」は

・ムリ:能力以上に負担がかかっている状態
・ムダ:能力に対して負荷が下回っている状態
・ムラ:ムリとムダの両方が混在し、さまざまなタイミングが発生している状態

を指しています(「3M(ムリ・ムダ・ムラ)を取り除く」株式会社キーエンス)。

担当者の「能力」と「負荷」に差が生じると、3Mが発生してしまいます。そのため人員配置計画が重要となりますが、そもそも入荷と出荷の数量の変動が日によって大きく異なり、人員配置計画が立てにくい物流の現場では、「人が行う作業への依存度」を減らすことが求められています。

その方法の一つが「ハンディターミナル」による管理の導入で、輸配送・在庫管理と物流のプロセスにおいて、ハンディターミナル等で正確に管理できるようになると、工数削減やミスの削減などを実現することができます。

機械化までを、すぐに実践することは難しいかと思いますが、3Mを取り除くことを目指して、「ムリ・ムダ・ムラ」が発生していないかという目線で業務を見直してみるのは、明日からでもできるのではないでしょうか?それが物流の効率化につながる第一歩になるはずです。

エコにもつながる物流効率化!早速実践しよう!

物流の効率化について、簡単におさらいしますと、

・法律の改正などにより、国をあげて物流の効率化に取り組んでいる。
・モーダルシフト・輸配送の共同化・輸送網の集約といった方法がある。
・実際に明日から意識できる考え方が重要。

となります。

ここで紹介させていただいたのは本当に概要ですが、物流の効率化を図ればコストの削減にもエコにもつながります。自社で取り組めることはないか、ぜひ試してみてください。

(ライター:サイトウケイ)


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