エシカル消費コラム廃棄物

環境に優しいアップサイクル製品の購入を推進しよう!

2023.01.27

『アップサイクル製品』という言葉を聞いたことはありますか?

”アップサイクル”とは不要な木材をイスに作り変えるような、不要になったものを新しい製品に生まれ変わらせるエコな取り組みです。特別な加工を加えないまま使用されるので、SDGsの観点からも見直されています。

実は企業や自治体でもアップサイクル製品を購入しているところも増えてきているといいます。

そこで今回は、

  • ・アップサイクルとは何か?
  • ・オフィスでエコな取り組みを行うメリット
  • ・『もったいない』を減らすために会社で利用できるアップサイクル商品

を中心にご紹介させていただきますのでご覧ください。

1.SDGsにぴったりのアップサイクル製品とは

「アップサイクルってリサイクルみたいなものでしょう?」そんなふうに認識していませんか?そもそもアップサイクル製品とは、不要になったものを価値のあるものにグレードアップして生み出された製品のことです。

アップサイクル製品の中で有名な製品を挙げるなら、

  • ・ペットボトルや缶に色を塗って作られた植木鉢
  • ・売り物にならない果物を使ったジャム
  • ・野菜のヘタや果物の皮を使ったスナック菓子
  • ・ロールケーキの耳を使用したケーキ
  • ・古着を現代的でオシャレに再構築された洋服・バッグ・小物
  • ・コーヒーかすやココナッツの殻、オリーブの種など食品・飲料の副産物の成分を抽出したスキンケア用品

などがそれに該当します。

具体的なメリットは以下の3点です。

  • ・製品をそのまま生かすためエネルギーの商品が少なくて済む
  • ・原料に戻さないので工場も必要不要。そのため、再利用におけるコストを抑えることができる

もともとの形や性質をそのまま活かすアップサイクル製品は、リサイクル製品のように溶かす・粉砕するなどの加工がいらないため、比較的コストが抑えられるというメリットがあります。

そういった点からSDGs目標の達成がしやすいのではないか、と近年期待されています。

しかしながら、再生紙やリサイクルトイレットペーパーなど、資源を再度類似品に生まれ変わらせるリサイクル製品を使う会社は多くても、アップサイクルの知名度はさほど高くなく、まだ多く活用されていないのが現状です。

資源の枯渇が叫ばれる今だからこそ、今後は”アップサイクル”という方法で、資源の保護や物資寿命の延長を目的としたサーキュラー・エコノミー的な考え方にシフトしていくべきでしょう。

〈参考〉

アップサイクルとは 基本の意味や日本・海外の例をわかりやすく解説 | ELEMINIST(エレミニスト)
アップサイクルとは? リサイクルやリメイクとは違う、SDGsへの新たなアプローチ|SDGsにまつわる重要キーワード解説|講談社SDGs by C-station

2.オフィスでエコな製品を使うメリット

リサイクルされた製品は加工費などがかかるため、非リサイクル製品に比べて価格が高い場合があります。しかしそれでも、環境に優しいリサイクル製品やアップサイクル製品の使用が好ましいとされています。

それは以下のようなメリットがあるためです。

〜オフィスでエコな製品を使用するメリット〜

  • ①環境に優しい生き方を企業全体で行える
  • ②消費者に「この会社は環境を守る意識が高い」という印象を与えられる
  • ③エコ製品を早期に取り組み始めた会社と認知されるようになる

また、以下の取組を行う”エコ・ファースト推進協議会”の活動が活発になってきていることからもそれがわかります。

  • (1)参加企業によるエコ・ファーストの約束の取り組みの強化
  • (2)参加企業と環境行政との連携の強化
  • (3)参加企業間の連携強化
  • (4)エコ・ファースト企業共通の広報活動の展開
  • (5)その他協議会の目的に適う事業の推進

この協議会に加盟している約50社も企業も、サステナブルな製品の開発や、環境に優しいオフィス設計など、具体的な施策を打ち出しています。

3.ワークスペースでの使用が検討できるアップサイクル製品

・海洋プラスチックゴミから生まれたコースター

(画像出典元:buoy

来客の際、紙のコースターを使用されている企業様におすすめしたいアップサイクル製品が、海洋プラスチックごみのアップサイクルブランド”buoy”にて販売されているコースターです。

このコースター、実は海洋ゴミから作られているエコな商品で、材料となった海洋ごみの回収地域が刻印されているため、海がプラスチックゴミであふれている現実を間接的に触れることができるアイテムです。

”アップサイクル製品を取り入れるエコな企業”ということで対外的なアピールにもなるので、ぜひ今後取り入れていただきたいエコ製品です。

・家中の掃除に使える魔法のパウダー”rerum nature”のホタテ洗剤

(画像出典元:rerum nature)

産業廃棄物のホタテの貝殻から作ったパウダーはrerum natureから販売されている洗剤です。水に溶けると塩基性(アルカリ性)が高まり掃除や洗濯、野菜や果物などの洗浄など家中の洗剤に置き換えることが可能です。

食品の洗浄や入浴剤、口内洗浄にも使用可能。使用済みパウダー水は配水管や河川をきれいにしながら自然に還るため、注目されています。社内でも食器洗いなどに洗剤は使われていると思いますので、もし少しでも興味のある方は購入を検討していただきたい商品です。

・食べられなくなったお米から作られたペーパー雑貨

(画僧出典元:kome-kami

食用に適さない古米、備蓄用に使われていたアルファ米で廃棄されてしまうもの、メーカーなどで発生する破砕米、一般の家庭や流通段階で食用では使えなくなってしまったお米などを活用して、ノートや名刺、紙バッグや封筒などの紙素材にアップサイクルされています。そして、その打ち上げの一部はフードロスバンクに寄付されており、捨てられるはずだったものが世の中にあらゆる形で還元されています。

他の製品に比べて紙製品はオフィスへ導入しやすいアイテムなので、ぜひおすすめです。

・社内のフライヤーとして生まれ変わる不要なコピー用紙

(画像出典元:PELP!

日本の企業での紙文化はまだまだ無くなりそうにありませんよね?そこで製紙会社PELP!では再生紙をアップサイクルして社内のフライヤーや封筒などに作り変える画期的なサービスを展開しています。

不要になったコピー用紙を回収したものを一定の金額で名刺や封筒などのビジネスツールに変換してお返しするという画期的な方法を実施しており、その活動に賛同した多くの企業がこのサービスを利用しています。

利用方法は、2,750円(税込)で購入した”PELP!BAG”という回収袋に不用コピー用紙を入れて、同梱されている着払伝票を張り付けてお送るだけ!開封することなくそのまま溶解し、PELP!PAPERに再生されます。

4.身近なものがアップサイクル製品に生まれ変わる

コーヒーかすを消臭剤として使用する

(画像出典元:味の素AGF)

オフィスでよく飲まれるコーヒーですが、いつもそのまま捨てていませんか?でもちょっと待って下さい!コーヒーに高い消臭効果があるので、ロッカーや靴箱、車中の臭い取りに最適です。

レギュラーコーヒーを抽出したあとの「コーヒーかす」。普段なら捨ててしまう「コーヒーかす」を再利用するわけですから、とってもエコでお得な活用法で

〜コーヒーかす消臭剤の作り方〜

冷蔵庫の中の脱臭は、湿ったままのコーヒーかすでも問題ありませんが、トイレや下駄箱、台所などで使用するなら、カビの原因にならないよう、乾燥させたものを使いましょう。よく乾燥させたコーヒーかすを、はぎれやガーゼなどに包んで置いておきましょう。

コーヒーかすの乾燥は、3つの方法があります。

1つ目は「フライパンで煎る」こと。湿ったコーヒー粉を、熱したフライパンで水分がなくなるまで煎ることで、水分を飛ばすことができます。その際、火を弱火にして、コーヒーかすを焦がさないようにすることがポイントです。

2つ目に挙げられるのが、「電子レンジで乾燥させる」方法です。熱した際にコーヒーかすが飛び散らないように、少し深めのさらにコーヒかすを入れ、ラップをかけずに電子レンジにかけます。ときどきスプーンなどでかき混ぜながら、コーヒーかす全体の水分を飛ばしていきます。ポイントは、コーヒーかすをなるべく「平ら」にならすこと。この方法で乾燥させると、電子レンジの中のにおいも取れるので、一石二鳥です。

3つ目は「自然乾燥」。平らな皿などに広げて風通しの良いところに置き、日光で乾燥させます。屋外で行う場合、風でコーヒーかすが飛んでいくことのないよう、風のある日は避けましょう。

〈引用〉コーヒーのちょっと意外な活用法 脱臭剤として使う|AGF®

(画像出典元:ASKUL コーヒーかす消臭ポット

作った消臭剤はお茶パックなどに入れたり、吊るして使ったりするとオシャレですし、”コーヒーかす消臭ポット”のような専用の商品を使うのもおすすめです。

5.アップサイクル製品を利用して物の寿命を伸ばそう

世界には便利な商品があふれていますが、環境を破壊するほど資源を無駄遣いしてしまっていることが問題視されています。

せっかく海外から輸入してきた食べ物や衣類などを不要になったからと販売せずに廃棄したり、ディスポーザブルな食器や紙ナプキンなどを1度しか使用せずにごみにしたりするなど、資源を無駄使いしている例が山程あります。

もちろん衛生面によって使い回せないものは多くありますが、リサイクルやアップサイクルできるものは積極的に取り入れたいものです。

ワークスペースで使えるアップサイクル製品はまだまだ少ないですが、リサイクル製品は多く販売されています。限られた予算の中で、安い製品をうまくやりくりしなければならないのは大変ですが、雑貨購入費の予算金額が許す限りご紹介したようなエコ製品の使用をご検討いただければ幸いです。

(ライター:堀内 香菜)


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