オフィスEcoシフト

輸送の効率化

1. 輸送の効率化による省エネとは

地球温暖化問題への関心の高まりと共に、企業でもCO2排出量削減の取り組みが行われてきているが、近年では物流にともなうCO2の排出についても関心が払われるようになってきた。

2016年度における日本のCO2排出量(12億600万トン)のうち、運輸部門からの排出量は17.9%(2億1,500万トン)を占めた。運輸部門のうち自動車からの排出量は86.2%、このうち、旅客自動車が49.8%、貨物自動車が36.4%を排出している。*1

物流は産業活動を支える上で不可欠なものだが、環境面では自動車から排出されるCO2の削減が課題となっていることが分かる。 特に都市内の物流では、輸送手段のほとんどをトラックに依存しているため、輸配送の無駄な走行や、CO2の排出を削減することで環境への負荷が減る。製造業や卸売業など荷主サイドでも、大手の事業者などにより環境対策が行われてきているが、物流に関わる事業者のほとんどは中小企業であることから、事業者すべての取り組みが、持続可能な物流を実現するカギとなっている。

*1 国土交通省ホームページより

2. 施策

物流の効率化を通じた省エネ施策は主に2つある。

  • (1) 輸送の効率化(配送ルートの大型化、共同輸配送、トラックの大型化)
  • (2) モーダルシフト

(1) 輸送の効率化

まず検討したいのが輸送の効率化。例えば、自家用貨物車両から営業貨物車両への委託に切り替える「自営転換」、走行時間の短縮や経済速度*2で走れるようにする「混雑区間・時間の回避」、配送ルートの変更 や施設配置の変更による「走行距離の短縮」、1台の自動車にできる限り多く積載して輸送に使用する台数を減らす「積み着け方法の改善」や「混載化」、「帰り荷の確保」「トラックの大型化」、また過剰サービスや在庫管理の見直す「輸送頻度の削減」などがある。

*2 船舶、航空機、自動車、列車などの交通機関の、経済的にみて最も効率的な走行速度。ある程度をこえて交通機関の速度を増やそうとすると燃料消費量は急に増加しはじめるため、その少し手前の速度で走行することで最小の燃料消費量で最大の運行距離が得られるようになる。

例)営業貨物車輌に切り替える「自営転換」を行った場合
自家用貨物車は、営業用貨物車に比べ積載効率が低く、トンキロ当たりのCO2排出量は、営業用トラックの約 7 倍にものぼる。自家用貨物車から営業用貨物車への転換が進むことにより、貨物車両全体の環境負荷が低減されていくことが期待できる。

積載効率とトンキロ当たりのCO2排出量

また経営面のメリットもある。燃料代・車両代・人件費などの物流経費の削減とともに、物流に関する業務負担が減り、社員の効率的配置がなされることで本業に経営資源を集することもできる。

(2) モーダルシフト

モーダルシフトとは、トラック等の自動車で行われている貨物輸送を、環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換すること。1トンの貨物を1km運ぶときに排出されるCO2の量を比べると、トラック(営業用貨物車)が240gであるのに対し、鉄道は21g(約1/11)、船舶は39g(約1/6)しかない。*3

*3 国土交通省 運輸部門における二酸化炭素排出量 より

【メリット】
モーダルシフトには様々なメリットがある。

  • ● CO2排出量の削減
    トラックを使うことなく全区間の輸送はできないものの、途中の区間を鉄道や船舶に切り替えることで、大幅にCO2の排出量を削減できる。
  • ● 輸送量の増加
    鉄道輸送ならトラック65台分の荷物を、船舶輸送ならトラック160台分もの荷物を、少ない人員で一度に目的地へと運ぶことができる。
  • ● 道路環境、社会課題の改善
    モーダルシフトが普及すればそれだけ一般道を走るトラックが少なくなるため、「交通事故の減少」や「道路交通混雑の緩和」「騒音問題の解消」といった道路環境の改善にもつながる。
  • ● 人手不足の軽減
    近年深刻化しているトラックドライバー不足への対応としても注目を集めている。

モーダルシフトが普及すればそれだけ一般道を走るトラックが少なくなるため、「交通事故の減少」や「道路交通混雑の緩和」「騒音問題の解消」といった道路環境の改善にも繋がるほか、最近では深刻化しているトラックドライバー不足への対応としても注目を集めている。

【モーダルシフト導入例とCO2削減量】

モーダルシフトによるCO2排出量の削減の例を考えてみると、例えば中国地方から大阪には陸送、東京には海上輸送していたケースを両方とも海上輸送に転換すると、削減量は1,086トンにものぼる。その内訳は下記の表を参照のこと。*4

*4 ロジスティクス分野におけるCO2 排出量算定方法 共同ガイドラインVer.3.1
経済産業省 国土交通省 より(ガイドラインにはCO2排出量の詳しい算出方法についても掲載)

3. 輸送の効率化を通じた省エネの導入例

さらに具体的な事例を知りたい場合は以下の例を参照のこと。