エコ施策
雨水利用とは、雨水用貯水タンクや水の下水処理で得られた水を必要に応じて処理した後に、水洗トイレや清掃用水として利用することである。雨水利用をするためには、雨水を貯水するタンクや、採集した水の処理システムなどを導入する必要はあるが、公共の水道からの水利用を節水することができる。
国土交通省の雨水利用の普及状況によれば、平成28年度末現在、全国で少なくとも3,370施設で雨水利用が行われている(1,227家庭(4人家族)の1年間の使用量に相当)*。
*出所:雨水利用の普及状況 (国土交通省)
もっと知りたい「水道」のこと(東京都水道局)
雑用水とは、飲料目的以外の散水、清掃、水洗便所などで、使用される水のことである。雨水を雑用水として使用する場合、衛生上必要な措置を行い供給する必要がある。詳細はこちら (厚生労働省 建築物環境衛生管理基準について)
雨水を貯めるタンクに水をためておいて、自動車の洗浄やガーデニングの水やりに使うことで節水することが可能。雨水タンクは購入に対して助成金を出している地方自治体もある。タンクは市販されており、設置の工事も必要なく、購入するだけですぐに使用できるため、取り組みやすい(例:ダイワ化成サイト)。
主に法人向けのシステムとして、貯水された雨水を浄水システムを通して、トイレや洗濯、またはシャワーの水として利用することができる。一度設置すれば、継続的な節水になるが、導入コストが高いのが難点。例えば、散水・洗車・トイレ用に加圧ポンプ式300リットルの雨水槽を購入するには、250,000円かかる(ダイワ化成・RTN-3A)。
自治体によっては、雨水の再利用を推奨するために助成金を出していることがあるので、こちら(リンク先のページ下部に「47都道府県・市町村の助成制度一覧」あり)の助成金一覧から確認してみよう。
例1)東京都墨田区:約1,000立方メートルの雨水貯留槽があり、トイレの洗浄水に利用されている。また、雨水利用を促す助成金も扱っている。
例2)株式会社サントリー神奈川綾瀬工場:雨水をタンクに貯めて、植栽への水やりや空調機械の冷却水などに利用。
例3) 埼玉県がまとめた企業事例集:雨水活用施設 先進事例集
本格的に節水に取り組む場合には、専門業者の力を借りることも有用である。自治体からの助成制度も賢く利用したい。
国土交通省 雨水・再生水に関する主な助成制度等