3Rの推進
1. 3Rとは?
3Rとは、リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)の3つのRの総称を指す。3R活動とは、この3つのRに取り組むことでゴミを減らし、限りある地球資源を有効に繰り返し使う社会(=循環型社会)をつくろうとする活動だ。
Reduce(発生削減)
Reduceの意味は「減らす」。ゴミそのものを減らす取り組みを指す。企業活動においては、オフィスや工場のごみを減らすことや、製品を生産する際に使う資源量や廃棄物の発生を少なくすること。例えば、商品のパッケージを簡素化・軽量化するのもその一例だ。リデュースに取り組むにあたっては、製品の設計や生産工程などを大きく見直してリデュースの可能性を洗い出す。
Reuse(再利用)
Reuseの意味は「再利用する」。すぐに捨てるのではなく何回も繰り返し使う取り組みを指す。段ボール箱の再利用やコピー用紙の裏面の利用、中古品の購入、コピー機のトナーカートリッジやリターナル容器の再利用などが事例として挙げられる。
Recycle(再生利用)
Recycleの意味は「再生利用する」。使い終わったものを再資源化し、新しいものの原料として利用する取り組みのこと。今やリサイクルは企業にとって重要な課題であり、業種によっては製品のリサイクルを法律で義務付けられているため、何らかの義務が課せられている企業も少なくない。また法律の規制がなくても、廃棄物の中でリサイクルできそうなものは社内の施設で分別回収を行うなど、身近にできる取り組みもたくさんある。
2. 施策
3Rの施策は多岐にわたるが、ここでは、(1) オフィスビルでできること、(2) 生産工程でできること、(3) 販売の過程でできることに分けて紹介したい。
(1) オフィスビルでできること
- ・ ペーパータオルを廃止する
- ・ マイ箸、マイカップ、マイボトル、マイバック運動を社員に推進する
- ・ リサイクル可能なオフィス機器や用品を優先的に購入する
- ・ 使い捨て製品(紙コップ、使い捨て容器入りの弁当など)の使用や購入を減らす
- ・ 納品の際の梱包、包装資材などを削減する
- ・ 社員食堂等でコンポスト化を推進する
- ・ 会議用資料や事務手続書類を簡素化する
- ・ 社内LAN、データベースなどの利用による文書の電子化を行う
- ・ 打合せや会議の資料などについては、ホワイトボードやプロジェクターの利用により、ペーパーレス化を推進する
- ・ 印刷物を作成する場合は、その部数が必要最小限の量となるように考慮する
- ・ 両面、集約などの機能を活用した印刷・コピーを徹底する
- ・ 使用済み用紙など裏紙が活用できる紙や使用済み封筒は再利用する
- ・ 書面による郵送に代えて電子メールを活用する
- ・ コピー機、プリンターのトナーカートリッジの回収ルートを確立し、リサイクルする
- ・ シュレッダー処理紙をリサイクルする
- ・ 紙、金属缶、ガラスびん、プラスチック、電池などについて、分別回収ボックスの適正配置などにより、ごみの分別を徹底する
(2) 生産工程でできること
- ・ 在庫管理を徹底し、劣化などによる不良在庫を削減する
- ・ 生産工程における廃棄物を再利用する
- ・ 適正な産業廃棄物処理を実施する
- ・ 使用する塗料や洗浄剤などのタンクを集約化することで使用量を抑制する
- ・ 詰め替え可能な製品の利用や備品の修理などにより、製品寿命の長期化を進める
- ・ 発生したごみは圧縮などを行い、減容する
- ・ 廃食用油のリサイクルルートを確立し、石鹸などへ再利用する
- ・ 適切なリサイクル業者を特定・選定する
- ・ 生産工程から発生する金属くず、紙くず、廃液、汚泥などの回収・再利用のための設備やラインを設け、活用する
(3) 販売でできること
- ・ 使用後の自社製品を回収し、リサイクルする
- ・ 製品廃棄時の環境負荷量を見える化して表示する
3. 導入事例
● 3R 活動先進事例集 2017 ~平成29年度循環型社会形成推進功労者環境大臣表彰受賞者の取組~