エコ施策
その他、エコシフトのためにできる取り組みとして、畜産による環境負荷を考える「野菜中心の食事」と消費活動の背景に着目する「エシカル商品購入」の施策をご紹介する。
野菜を中心とした食生活は、人々の健康だけでなく環境にも良い影響を及ぼすことが知られている。それは、近年、肉を食べるために営まれる畜産は、以下のような環境負荷を与えていると報告されているからである。
【畜産による環境負荷】
1. 広大な敷地の必要性とすることによる森林伐採
2. 莫大な量の水の使用と動物の排泄物による水質汚染
3. 森林伐採による土壌炭素貯留量の減少
4. 地球に莫大な温室効果をもたらす農場排気(メタンガス)
5. 畜産から排出される莫大な廃棄物
環境への負荷も考慮し、近年では肉・魚を食べない「ベジタリアン」や植物性食品のみを口にする完全菜食主義者「ヴィーガン」がライフスタイルの一つの選択肢として世界的に普及している。その流れは単なる食事制限の域を超え、新たな食品市場として拡大している。
アメリカでは2018年、ヴィーガン食品の売れ行きが通常の食品販売の10倍の速さで急増したとのこと。
いきなり菜食主義に変えるのは難しいが、従業員が野菜中心の食生活を送れるように社員食堂のメニューの見直しなど、肉食による環境負荷を考える機会があってもよいかもしれない。
参考:VOGUE 『検証!「菜食主義が地球を救う」の5つのファクト。』
「エシカル」(ethical)とは、英語で「倫理的な」という意味を持つ形容詞である。一般的には、「法的な縛りはないが、多くの人たちが正しいと思うことで、人間が本来持つ良心から発生した社会的な規範」という意味で使われる言葉である。
一般社団法人エシカル協会では、エシカル消費を
1. 環境消費(環境に配慮された消費)
2. 社会消費(人・社会に配慮された消費)
3. 地域消費(地域に配慮された消費)
の3つに分類している。
エシカル消費は、できることから暮らしの中で実践することで、世界が抱える課題を改善に導き、「いいあんばい」な世の中を築く力になるといわれている。エシカル消費によってCO2の削減等に環境面での寄与はもちろん、フェアトレードなどの社会問題解決への寄与など、企業のSDGsの取組みとしても有効な活動になる。
個人であればエシカルを心がけて買い物をする、企業であれば食堂や売店などにエシカル商品を置くといった手の届くところからはじめてみてはいかがだろうか?