コラム廃棄物

使い捨てプラスチックの削減|循環社会へ動きだした企業の事例を紹介!

2020.02.14

プラスチック削減

「使い捨てプラスチック」

この言葉自体になにか違和感を覚える人も多いのではないでしょうか?というのも私達の身の回りのほとんどのプラスチックが「使い捨て」だからではないかと思います。私達は普段の生活の中で、プラスチックを当たり前に利用し、当たり前に捨てています。

ですが、その当たり前が当たり前ではなくなる日が来るかもしれません。プラスチックごみの約7割が埋立地に放置されているという現状をご存知でしょうか?

私達の社会は、プラスチックゴミを上手く循環できていないのが現状です。ですが、このままいけば埋立地が満杯になり、ゴミの処理に困る将来が待ち受けています。そうならないために、使い捨てプラスチックの削減にどう取り組んでいけばよいのか、一緒に考えてみませんか?

使い捨てという概念の出現|使い捨て削減の原因となる問題

そもそも「使い捨て」という概念はいつごろ生まれたのでしょうか。

日本は古くから環境に害を及ぼすような国ではありませんでした。というのも、日本の近現代はものごとが上手く循環する循環型社会だったからです。特に江戸時代の循環水準は当時の世界でも秀でるほど優れたものでした。ですが、明治維新により西洋の文化が入ってきてから徐々に暮らしも変わっていきました。

そして大きな戦争を2度乗り越えた社会は、大きな変革を迫られることになります。

日本は第二次世界大戦以後、復興のためにも経済成長をする必要がありました。それから高度経済成長期を経て、日本は世界でもトップクラスの経済大国になりました。使い捨てはこの高度経済成長期あたりから生まれた概念で、大量生産大量消費の考え方が強く影響しています。

そして現在に至るわけですが、今現在日本ではまた循環型社会を目指しています。というのもこの先、循環型社会になることができなければ、さまざまな問題を生み出してしまうからです。

では、私達は循環型社会の成立に向けてどのような活動をしていけばよいのでしょうか。

使い捨て削減|循環型社会に必要な取り組み

プラスチック削減

使い捨てを削減するためには、「使う量を減らすことと」「循環しやすいモノを使うこと」の2つが必要です。まずは、身近にできる取り組みとして、1つ目の「使うものの量を減らす」という視点から考えてみましょう。

大手飲食店がプラスチックストローを廃止したり、レジ袋を有料化・廃止する動きがあるように、私達の生活において必ずしも必要ではないものは、その使う量を減らす必要があります。

そしてもし使うのであれば、2つめの視点である「循環、つまりリサイクルしやすいモノ」を使っていかなければなりません。上手く循環できるものであれば、使わなくなったゴミを埋立地に堆積させる必要もなくなり、環境への負担を減らせます。

ですので、私達はまず「使い捨て」してしまうようなものの使用を減らし、上手く循環できるものを普及させていく必要があるのです。

日本ミシュランタイヤの使い捨て削減の取組事例

使い捨て削減に向けた取り組みは、多くの企業で行われています。たとえば日本ミシュランタイヤ株式会社は、2009年に環境省が創設した「エコ・ファースト制度」において「エコ・ファースト企業」の認証を取得。

以来10年間、省燃費タイヤなど環境対応型製品の市場投入の推進、トラック・バス用タイヤにおいて「リデュース、リユース、リサイクル」の3Rの推進等により、長寿命タイヤを導入するなど環境負荷を低減する活動を行ってきました。「エコ・ファースト企業」として環境保全に貢献する取り組みを推進すると発表しました。

2020年1月からは、社員一人一人が貢献できる環境保全活動を実施し、代表的な取り組みとして

・社内の使い捨てプラスチックの使用を控える
・会議中のペットボトル飲料の使用をやめる
・ロゴ入りマイボトルとエコバッグを社員に提供
・社内で提供・販売されるワンウェイプラスチック容器(コーヒーカップ・レジ袋・ストロー・マドラー)を紙製・木製に変更

などを行っています。

日本は1人当たりのパッケージ用プラスチックごみの量が米国に次いで世界で2番目に多い国ですので、一人一人が気をつけて生活する必要があると日本ミシュランタイヤはいいます。使い捨て削減のためにも、日本ミシュランでは、社員一人一人がマイバッグやマイボトルを持ち歩き、プラスチック製のレジ袋やペットボトルの利用を減らしていくこと教育を施しています。

使い捨て削減で環境にやさしく

プラスチック削減

大きな企業が使い捨て削減のために行っていることは、中小企業でも、私達の普段の生活にも取り入れることが十分可能です。

たとえば、日本ミシュランタイヤの事例にもあった「社内で使い捨てプラスチックの使用を控える」「会議中のペットボトル飲料の使用をやめる」などは、気軽に始められることではないでしょうか。

日本は,人口1人当たりのプラスチック製容器包装の廃棄量がアメリカに次いで世界第2位であり,大量の使い捨てプラスチックを廃棄しています。その量は膨大ですが、使い捨て削減は一人一人が気をつければ解決できない問題ではありません。

まずはできることから、取り組んでいきましょう。

(ライター:山田浩平)

<参考記事>

・「日本ミシュランタイヤ、ワンウェイ(使い捨て)プラスチック削減宣言」(日本ミシュラン株式会社)


TAGS: プラスチック削減,