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プラスチック削減のためにできること|世界と日本の動きをまとめました

2020.03.11

私達の生活の中にプラスチックはあたりまえにあるもので、触れない日がないといえるほど日常的なものです。飲み物のペットボトルやレジ袋、ラップなど、日用品の至るところでプラスチックは使用されています。

たとえばペットボトル。みなさんは、ペットボトルがどのように処理されているか知っていますか?普段、分別してゴミを出すところまでしか関わらない私達にはペットボトルがどのように処理されているのかあまりわからないですよね。

この記事では、プラスチックの処理の仕方や、プラスチックの削減について解説していきます。街や海にプラスチックのゴミが溢れ出さないようにするためにも、プラスチック削減の現状をしっかりと抑えておきましょう。

 

世界第2位のプラスチックごみ排出国・日本の現状

プラスチックの削減は、SDGs(持続可能な開発目標)でも取り上げられている項目です。

SDGsとはSustainable Development Goalsの略、つまり持続可能な開発目標のことで、国連サミットで採択された2016年から2030年までの国際目標です。

SDGsには大きく分けて17つの項目があり、そのうちの3つが主にプラスチック削減の問題に関わっているといえます。

SDGsのプラスチック削減に関する項目は以下の3つです。

・住み続けられるまちづくりを
・つくる責任つかう責任
・海の豊かさを守ろう

プラスチック問題は、主に3R(リユース・リディース・リサイクル)や消費問題、海上汚染問題に関わっています。

特に海上汚染問題は深刻です。というのも、今現在の被害よりもさらに深刻化されると考えられているからです。環境省によると、海に流出するプラスチックごみは年間約800万トンと推計され、その流出国上位には東アジア・東南アジアの国々が占めていますが、日本も年間推計で2~6万tものごみが陸上から海洋に流出しており、決して他人事ではありません。

なぜなら国連環境計画(UNEP)の報告書(2018)によると、人口1人当たりに換算したプラスチックごみ廃棄量は32キログラムで、なんと米国に次いで世界第2位。

現状、日本ではプラスチックごみのリサイクル率は84%と数値だけをみれば高いリサイクル率ですが、実はごみを燃料として燃やし、火力発電や温水プールに使われる「サーマルリサイクル」が56%。製品原料として再利用される「マテリアルリサイクル」や「ケミカルリサイクル」に利用されるのは全体の30%にも満たないのが現状です。

残りはどうしていたかというと、2018年に中国が輸入を中止するまで、海外に輸出していました。2018年に中国がゴミの輸入を中止してからというもの、日本はマレーシア、ベトナム、タイなどその他の国へ輸出するようになりましたが、中国に輸出していた処理量に及ばないため、推計111万~191万トンのプラスチックごみが国内に滞留しているといわれています。

国内の埋立地も2040年には埋まるとの予想があり、世界的に見れば「2050年には、海を漂うプラスチックごみの重量が、海洋生物の総重量を超える」という予想があるほどプラスチック問題は深刻です。

では私達は、このプラスチックの問題をどう解決していけばよいのでしょうか。

プラスチック削減|日本国内の動き

プラスチック削減を考えたときに、大きく2つの取組みが考えられます。

1つ目は今海などに溢れ出してしまっているプラスチックの回収です。いまリサイクルの循環から外れてしまっていて、すでに自然環境に害を及ぼしているものを回収しようという動きです。

もう1つは、自然環境の中で、分解されやすいプラスチックをつくることです。リサイクルの作業を私達で行うのではなく、そもそも自然のなかで上手く循環するようなものを開発して使っていこうという動きです。

どちらの動きも行っていくことが非常に重要ですが、徐々に分解されやすいプラスチックを普及させていくことが長期的に見てプラスチック削減につながると思われます。

プラスチック削減|プラスチックゴミの回収とリサイクル

プラスチック削減

水産庁のプラスチック回収の取り組みに漁業組合と協力して海のプラスチックごみを回収・リサイクルするという取り組みがあります。漁中に取れたゴミを漁船が持ち帰り、そのゴミを漁協が保管し、行政が処理費用を負担するという取り組みです。

これまでに多くのプラスチックゴミを回収し、さらに生分解性プラスチックの開発にも力を入れています。

プラスチック削減|生分解性プラスチックの開発

生分解性プラスチックとは、自然界において微生物が関与して環境に悪影響を与えない低分子化合物に分解されるプラスチックのことです。自然のサイクルの中でプラスチックが分解されるので、環境への負担が少ないといわれています。

プラスチックの数量的な削減とは異なりますが、環境への負担と効率を考慮すれば生分解性プラスチックの開発と普及が環境改善につながることは間違いないでしょう。

IKEAのプラスチック削減の取り組み

プラスチック削減に向けて積極的な取り組みを行っている企業もあります。ここではその1例としてIKEAをご紹介しましょう。IKEAは2030年までにIKEAで使われるプラスチックを、リサイクルされたものか、再生可能なプラスチックにするとしています。

まずIKEAでは2020年を目安にプラスチックの使用を減らし、そこから段階的に持続可能なプラスチックで製品をつくることを目指しています。具体的にはプラスチックの原材料としてコーンやテンサイ、サトウキビなどの再生可能な資源からプラスチック製品をつくり、プラスチックの削減に貢献する予定です。

すでにIKEAでは、製品の60%以上を再生可能な素材を利用しています。2018年には全店舗で廃棄物の73%をリサイクルしました。

IKEAではこれからもプラスチックのリサイクルを続け、再生可能なプラスチックの開発を目指します。

プラスチック削減は身近なところから

プラスチック削減は私達の身近なところからも可能です。

例えば、買い物の際にレジ袋をもらわずにマイバックを利用したり、普段からマイボトルを持ち歩けば、ペットボトルを買わずに済むのでプラスチックの削減に協力することができます。他にも、

・洗濯用の洗剤は、プラスチック容器の液体洗剤ではなく、リサイクル可能な紙容器の粉石けんにする。
・シャンプーは詰め替え用でボトルを買わないようにする。
・体を洗うのもプラスチック容器に入ったボディソープではなく簡易包装の石鹸を使う。
・お昼は、容器のゴミがでるコンビニ弁当ではなく、自分でお弁当を作る。
・透明な封筒で送られるDMを断る
・ワイシャツはクリーニングではなく自宅で洗うようにする(クリーニング後のビニールの包装材が1枚ずつかけられますよね)。

など無理のない範囲で、生活のなかでのプラスチック削減を心がけ、身近なところから少しずつ意識をして環境を変えていきましょう!

(ライター:山田浩平)

<参考記事>

・「生態系に影響、深刻な「海洋プラスチックごみ問題」に私たちができること」(濱川明日香、朝日新聞GLOBE+)

・「海洋プラスチックごみ問題について」(環境省)

・「日本の 1 人当たりのプラごみ廃棄量世界第 2 位! 「知らなかった」79.8%「ごみの分別で判断に困った経験がある」65.8%レジ袋の有料化、いくらまで受け入れられる? 「5 円まで」が最多 42.5% 」(オレンジページくらし予報)

・「世界基準からズレた日本の「プラごみリサイクル率84%」の実態」(夫馬賢治、Forbes JAPAN)

・「日本のプラスチックごみが溢れ返り始めた訳」(河野博子、東洋経済)

・「使い捨てプラスチックを段階的に廃止」(IKEA)

 

 


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