みなさんは、日本人一人当たりの水の使用量が世界平均の約2倍ということをご存知ですか?(出典:TOTO環境コミュニケーションサイト)日本は他国と比べて多くの水を消費しており、環境の面から節水に努める必要があります。
そこで今回の記事では、オフィスにおける節水の取り組みについて紹介していきます。
とはいえ、
・オフィスでどんな節水方法があるのかわからない
・国内でどんな取り組みがなされているのか知りたい
と疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれません。そんなオフィスの節水についての疑問を解決します。具体的には
・あなたのオフィスでも実践できる節水方法
・最先端の取り組み事例
を紹介していきます。明日から改善できる解決策もあるので、ぜひご一読ください。
人が1日で使う水の量は、約200リットルと言われています。オフィス全体の人数で考えると、さらに多くの水を消費しています。しかし、少し工夫するだけで水の消費量を削減できます。
それでは、オフィスで実践できる3つの節水方法を紹介していきます。
オフィスでは様々な場面で水を使います。
例えば、トイレ。レバーをひねる際に「大」と「小」を使い分けていますか?
最近では、少ない水量のエコタイプモデルも発売されていますが、一般的にトイレの「大」の水量は6リットル、「小」は5リットルです。わざわざ「大」を使う必要のないときは、「小」を使うように心がけましょう。「使わなくても良い水は使わない」意識が、節水をする際に重要です。
たった1リットルの差ですが、1日1回とすると、1年間で365リットル。大きな差になります。
また、昼食後に歯磨きのために水を使いますが、このときに洗面台で水を出しっぱなしにする人がたまにいるかと思います。その分、会社の水が消費されています。お互いに水を止めるよう、意識し、声を掛け合いたいものです。
このようなトイレや洗面台での節水、どちらの事例も社員一人の意識で変えることができます。社員ひとりひとりに直接言うことは難しいと思いますが、ポスターや貼り紙をするだけでも意識の改善につながるでしょう。
便座に座った際に見える位置や洗面台の壁紙で注意喚起をして、社員全員が節水に取り組むよう工夫することが重要です。
節水のためのアイテムを導入することで、さらに多くの節水効果が期待されます。
例えば、節水器ロスカット。水洗トイレの排水量を30%程カットする(商品によります)節水便利グッズです。トイレのタンク内の水量を調節して、1回あたりの排水量を削減します。
オフィス内全てのトイレに付属させるのは労力や購入代金もかかりますが、長い目でみると節水の効果は大きいですし、水道代という経費削減にもつながります。
他には、蛇口用シャワーヘッドもおすすめです。
蛇口用シャワーヘッドは、洗面所や食堂の水道口につけることで、排出する水量を自動的に減らします。商品によりますが、30~40%ほど節水してくれるので非常に有効です。
節水アイテムは多様にあり、株式会社DG TAKANOの節水バルブ「Bubble90」は、最大95%の節水を実現できます。
初期投資は必要ですが、環境に優しく持続的に経費を削減できる有効な設備投資として検討してみてはいかがでしょうか。
節水を通して経費削減したい企業向けに、節水対策専門のコンサルティング企業があります。
単純に節水器具を売るのではなく、目的はオフィス全体として経費削減。節水できた量に応じて料金が変更する、成果報酬型の料金システムサービスもあるそうです。
また、節水のプロによる施設全体のトータルコーディネートを依頼できる企業も存在します。
会社全体として節水による経費削減に取り組みたい場合は、「水」を専門としている企業にコンサルティングを依頼することで節水対策に繋がります。目に見える形で節水や経費削減ができたら、社員の環境意識が高まるかもしれません。
最先端の取り組み事例として紹介したいのは、KDDI株式会社が提供する「KDDI IoT クラウド〜トイレ節水管理〜」という名のクラウドサービスです。
サービスの特徴は
・トイレ内の人感センサーで流量をコントロールし、適切な水量を流す
・トイレの利用データを測定し、節水量や節電量を管理する
ことです。
導入前後の節水量や節減金額を見える化することで、導入効果を正確に把握できます。
具体的なコスト削減事例として
・地上9階、地下3階のオフィスビルでは、1ヵ月で約480万円(約77.5%)
・地上3階の商業施設では、利用頻度が高い女性トイレを中心に展開したところ、1ヵ月で約640万円(約41.8%)
など、水道料金の大幅な削減を達成しました。このKDDI株式会社のIoTクラウドのように最先端の技術を駆使すれば、節水・節約効果が期待できます。(出典:『KDDIがIoTでトイレ管理サービス開始、節水で約77.5%コスト削減事例も』)
節水アイテムの導入は効果も持続する分コストもかかりますが、貼り紙やポスターなどで社内の節水意識を上げることは、明日からでもできる施策の一つです。家庭で行うのと同じように、オフィスでもすぐに節水を実践することはできます。
企業では個人よりもさらに大きな規模で節水へ取り組めます。ぜひ検討してみてください。
環境問題は、誰の問題でもなく私たちの問題です。私たちの問題は私たちの手で解決していきましょう。
(ライター:サイトウケイ)