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コラム廃棄物

SDGsのためのグローバルスタンダード “サーキュラー・エコノミー”とは?

2021.03.29

みなさん「サーキュラー・エコノミー」という言葉を聞いたことはありますか?今やグローバルスタンダードとなりつつある取り組みで、EUやアメリカ、中国をはじめとした様々な国々で活発に取り入れられています。

国連によると2050年に世界の人口は98億人になると推計されています。人口が増え続ければ地球上の資源は足りなくなり、持続可能な発展が難しくなる可能性が高いのです。そこで、すべての生き物が健やかに暮らしていくためのキーでもあり、SDGs達成のためにも注目されているサーキュラー・エコノミーについてご紹介します。

 

サーキュラーエコノミーとはどんなもの?

サーキュラーエコノミーとは、資源から製品を作って使い、廃棄することなく使い続けるという経済構造のことです。従来の「大量生産・大量消費・大量廃棄」に代わって、製品と資源の価値を可能な限り長く保全・維持し、廃棄物の発生を最小化した経済を指します。

2030アジェンダ(SDGs)」と「パリ合意」をきっかけに、世界の国々で経済・環境・社会の課題を統合的に解決する新しい社会活動へのパラダイムシフトが起こっています。

サーキュラー・エコノミーの仕組み


上図は3つの経済パターンの流れを表したものです。

●リニア・エコノミー
従来の大量生産・大量消費のように、一方通行で直線的に物が流れる経済のことです。こうした経済では資源は枯渇し、大量の廃棄物や海洋プラスチックにより生態系は破壊されてしまいます。

●リサイクリング・エコノミー
「廃棄物の有効活用」を目的にした経済のことです。日本でも「3R(リデュース、リユース、リサイクル)」に取り組んでいますが、これでは廃棄物の発生が前提となり、地球が抱える課題を根本的に解決するわけではありません。

●サーキュラーエコノミー
生産・消費・廃棄のそれぞれの段階で資源を循環させて、廃棄物を出さない。資源が円を描くように循環する仕組みになっています。世界で初めてサーキュラーエコノミーに対する具体的な政策を打ち出したのは2015年、欧州委員会での「サーキュラーエコノミー・パッケージ」発表でのことです。

取り組みの先進国であるオランダでは、2050年までに100%サーキュラー・エコノミーを実現することを目標に掲げるなど、活動が活発化しています。

サーキュラー・エコノミーの3原則

Googleなどのグローバル企業や欧州の政府も巻き込んでサーキュラー・エコノミーへの移行を推進している団体、エレンマッカーサー財団ではサーキュラー・エコノミーの3原則を以下の通り提唱しています。

1.DESIGN OUT WASTE AND POLLUTION
廃棄物や汚染を生み出さない設計(デザイン)を行う

2.KEEP PRODUCTS AND MATERIALS IN USE
製品や原材料を使い続ける

3.REGENERATE NATURAL SYSTEMS
自然のシステムを再生する

また、サーキュラー・エコノミーの循環システムは下図の「バタフライ・ダイアグラム」として表すことができます。

出典:CIRCULAR ECONOMY JAPAN

 

図中右のサイクルは「技術的サイクル」、石油や石炭などの枯渇資源を循環させる場合です。左は植物や動物、魚など再生可能資源である「生物的サイクル」を表します。どちらのサイクルも内側の循環ほど新たに投入する資源やエネルギーが少なくて済むので、内側のより小さい円を回していくことが理想的だといえます。

サーキュラー・エコノミーの事例

ミツカングループ

普段は捨てている皮や芯、枝豆のさやまで野菜を丸ごと使うことで廃棄物を減らすブランド「ZENB」シリーズを開発。エレン・マッカーサー財団が立ち上げた「フード・イニシアチブ」に日本企業では唯一参画しています。

ブリジストン

製品の原材料の100%サステナブルマテリアル化を設定。長寿命化などで使用する資源を減らす、再生ゴムなどで資源を循環させる、生産技術の向上による再生可能資源の拡充・多様化などのアクションを進めています。

goof

デジタル技術を利用して、適正量の印刷物を刷るサービス。紙や印刷機械の稼働の無駄を省くことはもちろん、クラウドで全国各地の印刷会社につながるため、配送コストも不要になりCO2の削減に繋がっています。他にも、

・自転車のシェアリングやカーシェアサービス
・定額制のオンラインファッションレンタルサービス
・家具の月額定額レンタルサービス

など、私たちの生活の身近なところにあるシェアリング・エコノミーもサーキュラー・エコノミーの一つといえます。シェアリングプラットフォームというビジネスが生まれて利益が生じれば、ムダになっていた資源が利益に変わり経済活動の循環にも繋がるのです。

 

 

いかがでしたか?それぞれが「所有する」という今までのやり方から、みんなで1つの製品をサービスとして「共有」し、ムダをなくして資源効率を良くしていく。

また、作って捨てるというライフスタイルから、不要なものはそれを必要とする人に届けるサイクルを構築していく。

サーキュラー・エコノミーの考え方を日常に取り入れて、動植物などの生態系や私たち人間、そして企業の豊かさへとつなげていきましょう!

(ライター:上崎有紀)

<参考資料>

・「サーキュラー・エコノミー及びプラスチック資源循環分野の取組について」(環境省)

 

※一般社団法人Earth Companyのサーキュラーエコノミー事例:「Mana Earthly Paradise


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