再生エネルギー

再生可能エネルギー100%へ!RE100に加盟する日本企業の取組み事例

2019.12.26

 

「77カ国が2050年までに、地球温暖化ガスの排出を実質ゼロにするとの目標を掲げた。70カ国が2020年までに国としての対策を強化させると表明した」国連のグテレス事務総長は、気候行動サミットで、このように宣言しました。

ですが、残念ながらこの77カ国に日本は含まれていません。

COP25(第25回気候変動枠組条約締約国会議)では、世界の環境団体でつくる「気候行動ネットワーク」から地球温暖化対策に消極的な国に贈る2度目の「化石賞」を受賞しるなど、日本の環境問題への消極的な姿勢がクローズアップされるなか、日本の大企業は「脱石炭社会」に向けて再生可能エネルギーへの取り組みを進めています。

RE100という国際イニシアチブをご存知ですか?

今回はRE100に加盟した日本企業の事例をご紹介します。

「RE100」再生可能エネルギー100%へ

「RE100」とは「Renewable Energy(再生可能エネルギー) 100%」の略で、イギリスに本部を置く国際環境NGO「The Climate Group」が2014年に開始したイニシアチブです。

加盟企業は、事業に必要な電力を100%再生可能エネルギー(太陽光、水力、風力、地熱、バイオマス発電で作られたエネルギー)で調達することを目標に掲げています。加盟企業数は世界的に広まり、2019年7月時点では、アップル、マイクロソフト、VISA、Facebookなど世界的な大企業を中心に187社が加盟しています。日本でも、第一生命保険、ソニー、野村総合研究所など有数の企業が加盟しています。

日本初の加盟企業・リコージャパンの取組み

「RE100」に日本で初めて加盟したのは、環境経営のリーディングカンパニーとしても知られるリコージャパンです。パリ協定が成立したCOP21(第21回気候変動枠組条約締約国会議)の公式スポンサーでもあったリコージャパンは、世界は速いスピードで「脱炭素社会」に向かって進んでいることを実感し、2017年4月に「RE100」に加盟。

2030年までに自社の工場・オフィス・車両などから直接排出される温室効果ガス(GHG)を示す「スコープ1」と、自社が購入した熱・電力の使用に伴うGHGである「スコープ2」を2015年比で30%削減し、企業活動のサプライチェーンにおけるGHGの排出量である「スコープ3」を同15%削減する目標を掲げています。

そのための取り組みは世界の生産拠点で進んでおり、2019年11月より、中国の生産会社 では社屋の屋根を発電事業者に提供し、発電容量2.8MWの太陽光発電設備が発電する電力の利用を開始しました。これにより、年間使用電力の約20%が再エネ電力となります。

また英国の生産会社では、2019年10月から再生可能エネルギーへ電力契約を切り替え、使用する電力のすべてが再生可能エネルギーとなりました。

両拠点での取り組みにより、2拠点合計で年間13.8GWh相当の再エネ電力の利用が増えCO2排出量を約5,000トン削減できる見込みです。

さらに同社は、より長期の2050年目標として、バリューチェーンのGHG(温室効果ガス)排出ゼロを目指しています。

野村総合研究所は環境性能の高い新データセンターへ

野村総合研究所は、2019年2月にRE100%に加盟。

2030年度までに、グループの事業活動から生じる温室効果ガス排出量を55%削減(2013年度比)、データセンターの再生可能エネルギー利用率36%の環境目標を掲げ、さらに2050年度には、グループ全体の消費電力を再生可能エネルギー由来にすることを目標としています。

具体的には、環境性能の高い新データセンターへのシステム移行や、東京本社をはじめとする主要なオフィスを環境性能に優れたビルに移転するなど、温室効果ガス排出量の削減を推進。

再生可能エネルギー100%の実現に向けて、膨大なエネルギーを消費するデータセンターをはじめ国内外の拠点において、各地域に応じた最適な再生エネルギー調達手段を検討し、再生エネルギーの利用を拡大していくとしています。

パナソニックが2050年を目途に

事業で消費する電力全てを再エネ由来へ

パナソニックも2019年8月にこの「RE100」に加盟し、2050年までに事業全ての電力を再生可能エネルギーに切り替えるとともに、CO2排出ゼロのものづくりを目指すと宣言しました。

同社は環境経営における長期ビジョン「パナソニック環境ビジョン2050」を2017年6月に策定し、2050年に向けた環境経営の目指す方向を明確に定めて活動を推進し、CO2を排出しない「CO2ゼロの工場づくり」をグローバルで目指して取り組んでいます。CO2ゼロ工場の実現には、再生可能エネルギーの活用拡大が不可欠であり、今回の「RE100」への加盟で再生可能エネルギーのさらなる活用が進むでしょう。

実際に2050年までに工場で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーに切り替えるという目標達成のために、パナソニックでは様々な活動を推進、実行しています。

具体的には、今現在工場で使用する電力の消費を削減したり、太陽光発電の導入等を勧めるなどの活動です。また、2021年に向けた環境行動計画「グリーンプラン2021」を策定し、再生可能エネルギー発電設備の導入や、再生可能エネルギーの外部調達を目指しています

 

最後に

世界には、Googleなど再生可能エネルギー100%使用で事業の電力を賄うことに成功している企業がすでにあります。自社で発電できなくても、リコージャパンの取組みのように、再生可能エネルギーを購入するという選択肢もあります。

世界的に「脱炭素社会」に向けた意識が高まり、顧客や取引先から環境への対応が求められるようになるなかで、「RE100」への加盟は、環境への配慮だけでなく、環境経営への取組みとしてもこれから増えていくでしょう。

 

(ライター:山田浩平)

 

<参考記事>

日本企業の「RE100」加盟、なぜ急増?」(PRESIDENT Online)

リコー、RE100目標達成に向けて生産拠点における再生可能エネルギー由来電力の活用拡大」(リコー株式会社)

パナソニックも再エネ100%利用へ、大企業の切り替えが止まらない」(日刊工業新聞「ニュースイッチ」)

パナソニックが「RE100」※に加盟 100%再生可能エネルギーによる事業運営を目指す」(パナソニック株式会社)

野村総合研究所、「RE100」に加盟~事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーで調達、脱炭素社会へ貢献~」(株式会社野村総合研究所)

株式会社野村総合研究所」(気候変動イニシアチブ)