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地域と繋がる食農教育事例!学校給食や授業で取り組む「地産地消」

2021.07.26

地域と学校で取り組む地産地消!そもそも地産地消とは?

地域で生産されたものを、地域で消費する「地産地消」。地産地消は、輸送によるコストや環境負荷を下げることに加え、地域内の経済活性化や食の安全に繋がるなどメリットばかり!

スーパーやレストランでも、地元産の食材を取り扱う店が増え、多くの人が取り組んでいますね。

平成20年の学校給食法の改正によって「地場農産物の積極的な活用」が規定されました。子ども達が地域の食文化、産業、自然環境などへの理解を深め、生産者の方や食べ物・命への感謝の気持ちを育むことを目標とし、全国の多くの学校で給食に地元産の食材を使う取り組みをしています。

広がらない学校給食での地産地消

多くの学校や保護者、地域の農家が地産地消をしたいと思う一方、学校給食は休日や長期休みには必要ないなど、需要と供給のバランスが取りにくいという課題があります。

また、せっかく地元の食材を使っていても、そのことを知らなかったり、繋がりが実感されにくかったりという現状もあります。

食育の基盤・学校給食で「地産地消」

地産地消コーディネーター派遣事業

学校が給食で地産地消に取り組むためのサポートとして、知識や経験を有する専門家・地産地消コーディネーターを地域に派遣する事業が、農林水産省の補助により行われています。

最近は、地産地消コーディネーターがリモートでの対応も可能になり、地域や学校側も気軽に支援を頼めるようになりました。

農林水産省:地産地消給食等メニューコンテスト

また、農林水産省は地産地消を取り入れたメニューを作っている給食や学食、社員食堂などを対象に「地産地消給食等メニューコンテスト」を実施し、優秀事例を紹介しています。

たとえば福井県立大学では、地場産の食材をふんだんに使ったバイキング形式のランチを学食で提供し、受賞メニューに選ばれました。地元の市場で規格外品を買い取り、それをもとにメニューを決めることで、コスト削減とバラエティー豊かな献立を実現させたそうです。

横浜市:はま菜ちゃん料理コンクール

横浜市でも、小学生が市内産野菜を使って考案したメニューを募集し、受賞メニューが実際に給食の献立となるはま菜ちゃん料理コンクール」が約20年行われています。

「はま菜ちゃん」とは横浜産の野菜など農畜産物をPRするキャラクターです。市内の全小学校で「はま菜ちゃんぷるー」などの受賞メニューが一斉提供され、給食を通して子どもや保護者が地域の一次産業について関心を持ち地場産物のブランド力も上がっています。

家庭科だけじゃない!授業の中で「地産地消」

とはいえ、学校給食の導入には時間もかかります。でも、給食そのものを変えなくても出来る工夫がたくさんあります!

家庭科の調理実習に工夫を!

学校での食育の中心は、家庭科の授業です。中でも調理実習は子供たちの大きな楽しみですね!そのとき、ただ教員が食材を準備し、子どもは調理をするだけではもったいない!

食材は地元で採れた新鮮なものを使い、社会科や総合学習の一環として実際に生産農家を訪ね、野菜を育てる過程や収穫を体験することで、学びが深まります。

岡山県の赤磐市では、食材提供を行った若手農家に調理実習のお手伝いとして参加してもらい、子どもが生産者の方と一緒に調理して、食べるという授業を行っています。

また、理科の授業で野菜を育てるときには、地元の固有種や在来種を使う、無農薬で育てる等といった工夫ができます。

強化の枠を超えて、育てて食べるという一連の過程を体験することで、食べ物の有難さを実感を持って考えることが出来ます。

食べ終わったあとも「地産地消」!

こうした取り組みは、給食を残さず食べることを意識させ、食糧廃棄の減少にも効果的です。が、それでも出てしまう残飯や、調理の過程で出た生ごみも「地産地消」することができます!

東京都北区

東京都北区では、1993年から学校に生ごみ処理機(コンポスト)を導入し、給食などで出た生ごみを堆肥化しています。これまで、小中合わせて20校以上で実施し、生ごみの排出量は1/7にまで減りました

山梨県甲府市

山梨県甲府市では、ごみ減量に関する啓発のために市の職員で「ごみへらし隊」を結成。環境部と教育委員会が協働して、ごみへらし隊を小学校へ派遣し、新聞を使ったコンポストの使い方を指導指導を受けた子ども達は「ごみへらし隊 隊員」となって、学校や家庭で生ごみのたい肥化を行っています。

生ゴミからできたたい肥は、校内の花壇に使ったり、地域の有機農業に使ったりすることで、食べ物を育てるための栄養分も地域内で循環させることが出来ます!

みんなで食べる時間だから、安心、安全、楽しいものに

「食べる」ことは私たちが生きる上で欠かせないものであり、大きな楽しみの一つです。また誰かと同じ場所で、会話を楽しみながら、一緒に食べる時間は子どもを育てる大切な時間です。だからこそ地域と連携し、その土地のものを活かして、楽しく、美味しい、学びの時間を作ってみてはいかがでしょうか?

そのひと工夫が、豊かな暮らし持続可能な未来に繋がっているはずです。

(ライター:鈴木さやか)

 <参考資料・記事>

・「地産地消の推進について」(農林水産省)
・「地産地消への取り組みは地域の活性につながるか」(地域百貨)
・「地産地消の取組|令和3年度「地産地消コーディネーター派遣事業」の実施と派遣地域の募集について」((一財)都市農山漁村交流活性化機構(まちむら交流きこう)
・「地産地消給食等メニューコンテスト受賞メニュー一覧(学校給食・社員食堂部門)」(農林水産省)
・「「第 17 回はま菜ちゃん料理コンクール」本選を開催します」(横浜市)
・「地元の農産物をおいしく調理しよう!若手農業者が調理実習をお手伝い」(岡山県)
・「「北区と甘楽町をむすぶ食の循環」 −学校給食の生ごみの堆肥化−」(NPO法人 北区リサイク)
・「学校から始める食品ロス削減の輪 ~「ごみへらし隊」「給食支援員」の取組など~」(甲府市環境部、甲府市教育委員会)


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