生徒自身が「学校からサステナビリティを実現する」ための実践プログラム、オペレーション・グリーン。自分たちの学校の環境負荷を知り、サステナブルな学校に変えていくプロジェクト・ベースド・ラーニングならではの深い学びの事例をご紹介します!2021年4月からオペレーション・グリーンを導入したUWC ISAK JAPAN(長野県)で、世界的にも評価された生徒たちの活動の概要をぜひご覧ください。
持続可能な未来を創るチェンジメーカーを育成するUWC ISAK Japanに相応しい学校オペレーションを目指したい、という生徒からの声で立ち上がったサステナビリティ・クラブ。毎年環境問題への取り組みに関し志の高い生徒が集まるものの、学校全体を巻き込んだアクションの定着が課題となっていました。そのような状況で、「生徒主導のプロジェクトを伴走支援して欲しい」という学校の想いが、オペレーション・グリーンを導入するきっかけとなりました。
UWC ISAK Japanのオペレーション・グリーンは、2021年4月から始動しました。Earth Companyは、サステナビリティ・クラブに所属する生徒10~12名と教師1名に対し、校内の環境意識・負荷チェック、世界の学校サステナブル事例、アクションプラン作りとサーキュラー施策導入の伴走支援を提供。生徒たちは、①エネルギー、 ②廃棄物、 ③啓蒙活動の3つのグループに分かれ、学校全体の意識と行動変容を促す活動を行っています。
今後は地域の木材を活用したバイオマスボイラー、食材の地元調達、学校菜園、雨水利用施設設置など、オペレーション・グリーンのTechパートナー団体(注:サステナブルなテクノロジーや事業を展開する民間企業・団体)と連携しながら、生徒主導のアクションの実践を進めていく予定です。
2021年12月まで導入したオペレーション・グリーンの成果として、大きな4つの成果が得られました!
1.持続可能で人道的な革新的ソリューションに取組む世界の高等学校を表彰する「ザーイド・サステナビリティ賞グローバル・ハイスクール部門」へ応募する生徒を伴走支援。オペレーション・グリーンで策定したプランが見事受賞し、アクションを実行するための資金(約1,140万円)を獲得!
2.カーボンダッシュボード(注:学校のCO2 排出量など環境負荷を可視化できる、Earth Companyの独自開発ツール)により、学校が排出する環境負荷の大きさを再認識。学校集会でデータを共有し、クラブを中心とした学校全体を巻き込んだ活動にシフトする原動力に!
3.サーキュラーアクションの実践を叶えるサービスやプロダクトを提供するTechパートナーとして、UWC ISAK Japanが位置する長野県内のNPO、企業、農家を紹介。学校と地域の繋がりが生まれることに!
4.プログラムで得た知識を参考に、クラブメンバーの生徒がコンポストなどのワークショップを寮ごとに実施。アクションを促すことはもちろん、複数の新しいメンバーがサステナビリティ・クラブへ加入するきっかけにも!
プログラムを通じてサステナビリティへの意識がますます高まり、成長した生徒たちからは、こんな嬉しい感想をいただきました。
「CO2排出量を可視化して初めて自分たちの学校の環境負荷を知り、問題の緊急性を再認識。優先すべきアクションがクリアになり、学校全体に伝えていく責任があると感じた」
「自分たちにも今すぐできることがたくさんあることを知り、それぞれに優先順位を付けていくことで実現の可能性がぐっと高まった」
「学校がどんな風に変わっていったら良いか、サステナブルなアクションについて具体的にイメージできるようになった!」
「小さな規模で始めたことも継続するうちに大きなインパクトになるということを、Sustainability is a journey, not a checklist という言葉から学んだ」
アクションプランを実践する資金を、自ら獲得した生徒たちが実際に行動を起こすフェーズはこれから始まります。Earth Companyも引き続き、彼らの活動を応援していきます。
<参考記事>
・How students won the Zayed Sustainability Prize 2022
・2022年ザーイド・サステナビリティ賞「グローバル・ハイスクール」部門(東アジア・太平洋地域)日本初受賞!UWC ISAK ジャパン
・UWC ISAK Japan students win the 2022 Zayed Sustainability prize!
・2022 Zayed Sustainability Prize winners handed millions in funding