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取組紹介働き方改革

リモートワークが新たな働き方のスタンダードへ!国内外で増える導入企業

2019.12.24

 

「リモートワーク」が近年、注目を集めています。

2019年版「働きがいのあるグローバル企業ランキング」(Great Place to Work)で選ばれた上位20社のうち、60%の企業がリモートワークを積極的に導入しているということが、同機関の調査でも明らかになりました。

”生産性の向上”や”ワーク・ライフ・バランス”などのキーワードと共に認知されはじめたこの新しい働き方は、じつは”環境配慮”の面でもメリットがあります。

日本だけではなく、世界で広まりつつあるリモートワーク

リモートワークとは、時間や空間の制約にとらわれることのない柔軟な働き方のこと。

国内では、今年4月から「働き方改革」関連法案が順次施行され始めたことで、ますますそれに関心が高まるようになりました。

年々減少の一途をたどる日本の総人口約1億2618万人は、2065年には9000万人を割り込むと推計され、さらに65歳を超える人口が、国民全体の38%を占めるようになるといわれています。(厚生労働省: 平成29年推計)

リモートワークは、こうした少子高齢化に伴う労働人口の減少や、働く人のニーズの多様化などの課題に対応するための、取り組みの柱となっています。

一方でグローバルにおいても、リモートワークを導入する企業は増加しています。

実際にアメリカでは、リモートで働く人々は2007年以降で159%増加したとされているほか、イギリスでは2020年までに、労働人口の50%がリモートで働くようになると推定されています。(Forbes)

人だけではなく、環境にも持続可能な働き方

特に首都圏で働く人々にとっては、仕事の一部と言っても過言ではない、通勤時の満員電車。

フレキシブルに働くことができれば、ラッシュアワーを回避することも可能となり、健康にも悪影響のある心理的ストレスや疲労を軽減することができます。

また、主に「生産性の向上」や「オフィスコストの削減」がリモートワークに期待できるほか、子育てや介護の時期にある社員が離職せずにすむ「従業員の定着」などの、様々なメリットがあります。

さらに、通勤がなくなることでCO2排出量の削減につながり、オフィスの省力化で電力消費を抑制できたりなど、環境にとってもやさしいという側面があります。

実際にアメリカでは、「輸送分野」が温室効果ガス最大の排出源となっており、その半分以上が通勤でも使用される乗用車などによるもので(米国環境保護庁: 2017年)、もし代わりにリモートワークを行えば、1人当たり年間360万トンの温室効果ガス排出を抑制できるといいます。この数値は、じつに9100万本もの植林に相当する量だそうです。(Global Workplace Analytics)

利益向上とコスト削減、雇用の定着~研究結果でも明らかに

国内でリモートワークの先駆けとなる「日本マイクロソフト」が、今年の夏に実施したプロジェクト「ワークライフチョイス チャレンジ 2019 夏」では、週4日勤務を導入したことで、前年比で売上が40%近く向上したことがわかりました。(BCC)

今回実験的に行われたその施策では、毎週金曜を「特別休暇」にしたことに加え、通常のミーティングもオンラインを推奨し、最大30分までと制限。

1ヶ月に渡って行われたこのイベントは、社員の92%から好評を得たとともに、23%の電力消費、59%紙の印刷を削減できたことが報告されています。

生産性に関する効果については、スタンフォード大学で行われた実験でも明らかになっています。

同大学Nicholas Bloom教授と、中国最大の旅行代理店「Ctrip」のCEO・James Liang氏によって共同で行われたこの研究では、対象となる500人の社員を、上海本社で働く社員と、リモートワーカーの2つのグループに分けて2年近くにわたって調査。

その結果、リモートワークを行った社員は14%生産性が向上し、1人あたり年間2000ドルの利益増加をもたらしたことが認められたほか、離職率が50%低下し、病気などによる欠勤も減少したことが明らかになりました。

そのほか、米「Zapier」社が運営する「The Remote Work Report」が行った調査によれば、アンケートを行った対象880人の回答では、リモートで働きたいことの主な理由に「節約 (48%) 」、「家族との時間を過ごしたいから (44%)」、「メンタルヘルス (29%) 」などが挙がったほか、23%が「環境的サステイナビリティ」と答えており、気候変動への配慮が動機となっている人も多いことがわかりました。

Webアプリケーションを統合することで、ワークフローを自動化するツールを開発している同社では、250人を超える全社員が世界25カ国の拠点から働いています。

今後、新たな働き方のスタンダードとなりそうなリモートワーク。

場所を問わないフレキシブルな働き方を提供しているかどうかが、2020年に注目すべき企業の傾向の1つだと見る向きもあります。(CNBC)

「協調性」を大切する日本文化のなかで、どのように確立していくのか

時代の流れとともに今後企業が発展していくうえで、新たな概念となりそうなリモートワークですが、どこからどこまでを「生産性」ととらえるかは、もしかすると不明瞭な部分もあるのではないでしょうか。

実際にオフィスへ出社して、同僚に会うこと顔と顔を合わせてコミュニケーションをとること。

たわいもない雑談や会話の1つが、心を解きほぐしたり、人間関係の構築や新たなアイデアを生むきっかけになることもあります。

「協調性」や「他人への配慮」に優れた日本の組織において、リモートワークを導入していくうえで大切なことは、実際に社員がその制度を利用できる仕組みをつくること、そして、社員同士の信頼関係にあるとも言えそうです。

 

(ライター:Sara Sugioka)

 

<参考記事>

人口推計」(総務省統計局)

日本の将来推計人口(平成29年推計)の概要」(厚生労働省)

働き方改革の加速に向けて、「ワークライフチョイス」を推進する自社実践プロジェクトを本年夏に実施」 (マイクロソフト日本) 

Microsoft four-day work week ‘boosts productivity」(BCC)

Offer Remote Working Or Prepare To Lose Your Best Staff, Survey Warns」(Forbes)

Is Remote Working Just Another Fad Or Actually Good For Your Business?」(Forbes)

The fastest-growing jobs for 2020 that offer remote and flexible work options」(CNBC)

A 2-Year Stanford Study Shows the Astonishing Productivity Boost of Working From Home」(Inc)

5 Stats About Telecommuting’s Environmental Impact」(flexjobs)

 


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