コラム省エネ

OA機器、省エネのコツは? オフィスでの事例5選

2024.03.18

働き方改革、そして環境対策としてペーパーレス化に取り組む企業も増加してきました。PCやタブレット端末・スマートフォンを使った文書・書類の管理によって、事務用品費の節約効果や作業の効率アップを感じている担当者の方も多いでしょう。

次の一手として「OA機器のエネルギー効率化」に取り組んでみませんか?ペーパーレス化が進んだことでOA機器の重要性が増している現在、消費電力の効率化によってさらなる省エネを目指す企業も増えています。

コロナ禍でのリモートワーク導入を機に、OA機器のエネルギー効率アップに取り組んだ企業が多数あります。ここではそのような企業事例とともに、今すぐできる節電方法や省エネ仕様のOA機器についてもご紹介します。合わせてご覧ください。

オフィスワークはOA機器の電力消費率が高め!

資源エネルギー庁による統計では、オフィスワークを主とする職場では特にOA機器の電力消費率が高いという結果があります。

一般的なオフィスビルの消費電力比率を見ると、空調・照明・OA機器で88%を占めています。このうち空調設備が48%とほぼ半分を占め、照明が24%でOA機器は16%です。

空調・照明設備と比べると、OA機器の割合は低いように見えるでしょう。しかし、他の職種ではおおむね5%前後であることを考えると、オフィスワークでのOA機器の電力消費率は極めて高いものです。

オフィスワークではOA機器がなければ仕事が進まないので、仕方ないことではあります。だからこそOA機器のエネルギー効率化に取り組むことで、高い省エネ効果を得られるのです。

【参考資料】
節電アクション|資源エネルギー庁

OA機器の省エネによるメリット

OA機器の消費電力を節約すると、実は空調設備の省エネにもつながります。稼働中に発生する熱が減り、冷房の効きがよくなるからです。

PCやタブレット端末を長時間使用したとき、機器が熱くなっているのを感じた方も多いのではないでしょうか。電気製品の利用にはどうしても熱が発生するものですが、オフィスには数十台、数百台のOA機器があるはずです。1台単位では少しの発熱でも、たくさんあれば体感温度が上がるほどになります。

OA機器のエネルギーを効率化して熱の発生を抑えると、室温を高めに設定していても涼しく感じられます。またOA機器自体も長持ちするので買い替えの頻度が減り、時間・費用の節約にもなるでしょう。

今すぐOA機器の電力消費を抑えるコツ

OA機器の省エネは、少しの工夫で効果を発揮する方法も多いです。ここではPCでの対策法を4つご紹介します。

  • ・画面の明るさを落とす
  • ・使用中はコンセントにつながず、バッテリーのみで稼働
  • ・スイッチ式電源タップでこまめに待機電力をオフ
  • ・昼休み・90分以内の離席時は「スリープモード」に

どれもすぐに取り組める小さな工夫です。ぜひ試してみてください。

【参考資料】
オフィス向けリーフレット|資源エネルギー庁
どうやったら節電できる?明日からすぐに役立つ節電・省エネのヒント|資源エネルギー庁

OA機器のエネルギー効率化に取り組む企業事例

Panasonicグループの「コストバスターズ活動」

Panasonicグループでは、経営体質強化に向け全社員による「無駄の発見・改善提案・実施」が実施されています。「コストバスターズ活動」と名付けられたこの取組は、企業・社屋ごとにそれぞれ実施され、効果があったものをグループ全体に展開するボトムアップでの環境対策です。

なかでも、広島県に保有する「広島中町ビル」での活動は評価が特に高く、2021年度の「省エネ大賞」では省エネ事例部門で「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しています。このビルでは、通信機械室にある機器を最新式で小型のものに買い替える「機器の運用変更」による省エネに取り組みました。

最新技術を搭載した小型機器は、以前の大型のものと比べて発熱量が抑えられています。場所をとらなくなったこともあって室内の通気性がよくなり、冷房がよく効くようになりました。結果的に機械室内のエアコン台数を半減でき、空調設備の大幅な省エネも実現しています。

【参考資料】
徹底的に省エネを追求した、環境にも働く人にも優しいオフィスとは|Panasonic公式note

「丹青社」は本社移転を機に省エネ対策を実施

国内最大手の総合ディスプレイ業者「株式会社丹青社」は、2015年の本社移転の際に大幅な環境対策を実施しました。現在の本社がある東京都港区「品川シーズンテラス」は、国際ビジネスの拠点でありながら国内でも類を見ない「環境配慮型オフィスビル」です。

丹青社では移転後のオフィスをデザインする際、複合機など社員が共有して使用するものを1カ所にまとめました。集めたことで機器そのものの台数が減り、OA用紙の使用量削減にも成功しています。PCも省エネ製品に買い替えるなど多くの対策を行った結果、移転前と比べて電気使用量の48%削減を実現しました。

また設備投資だけでなく、ごみ箱を1カ所にまとめてあえて捨てにくくすることで、社員1人ひとりのごみ排出量も減少しています。ごみ箱の分別表示も見やすく改善して分別率90%を達成するなど、自社のデザイン技術の高さが発揮された省エネ対策です。

【参考資料】
SDGsへの取り組み|株式会社丹青社
丹青社 オフィスにおける環境活動|東京都環境局
品川シーズンテラスについて

全社員で省エネ活動を積み重ねる「日立ソリューションズ」

日立グループの情報通信事業を担う「株式会社日立ソリューションズ」では、社員一丸となってこまめな省エネ活動に取り組んでいます。ここでご紹介するのは、見逃しがちな「OA機器の設定」による節電です。

各種OA機器は、設定変更によってそれぞれのオフィスにぴったりの省エネ仕様にカスタマイズできます。日立ソリューションズでは、すべての複合機において節電モードに切り替わるタイミングを「10分」に再設定しました。元々のタイミングである30分から3分の1に短縮したことで、スタンバイ状態での消費電力を節約しています。

このほか、月に1回はOA機器の待機電力のチェックを行い、結果を各オフィスにフィードバックするなど地道な努力を続けています。数多くの環境対策の実施が高く評価され、2020年度には東京から「優良事業者」の認証を受けました。

【参考資料】
環境|日立ソリューションズのサステナビリティ

「NTTファシリティーズ」は電力使用量を「見える化」

NTTグループのエンジニアリング企業「NTTファシリティーズ」では、自社のエネルギーモニタリングサービス「Remoni」を活用した省エネ対策を実施しています。電気使用量を従業員のPCにリアルタイム表示することで、節電意識を高める取組です。

「Remoni」は、NTTファシリティーズが2008年から提供しているモニタリングサービスです。Remoniによって使用しているPCのツールバー上に消費電力量を常時表示し、節電効果を目で分かりやすくしました。リアルタイムの消費量が分かるため、ピーク時の電力抑制・調節にも役立っています。

また、すべてのPCを省エネ設定にし、その他の業務用機器も省エネ仕様のものに買い替えました。このような環境対策によって、NTTファシリティーズは東京都の「特定テナント省エネ評価」でSランクを獲得しています。

【参考資料】
オフィステナントとして取組む省エネとIoT|東京都環境局

自発的な省エネ活動を推進する「サノフィ株式会社」

東京都新宿区に本社を置くヘルスケア企業「サノフィ株式会社」は、社員による自発的な省エネ活動を推進するキャンペーン・イベントなどを開催してきました。「PCモニターのオフによる電力削減」など手軽な節電方法をPRし、環境対策への啓発を行っています。

イベント時には「全社員エコ宣言」と題して、省エネ活動への理解・実践の宣言をカードに記入・掲示するキャンペーンも実施しています。小さくて身近なアクションを着実に起こしていくことで、会社全体の環境意識の向上を目指す取組です。

また、サーバールームに温度計を複数台設置して室温をモニタリング、結果に応じた対策をとることで空調設備の節電も実現しています。モニタリングシステムを導入した結果、空調機3台のうち1台を停止し、室温も従来より4℃高く設定できるようになりました。

【参考資料】
健全な地球環境|サノフィ株式会社
サノフィ本社とオペラシティビル 管理会社との省エネの取り組み |東京都環境局

消費電力が少ないOA機器への買い替えも効果的

日頃のこまめな節電活動も大切ですが、より消費電力が少ないOA機器への買い替えも効果的です。たとえばPCであれば、ノートパソコンはデスクトップ型より消費電力が少なく済みます。機種によっては3分の1にまで抑えられるので、デスクトップでなくても業務に支障がなければぜひ検討してみてください。

また、一般的に新しい状態の製品の方がエネルギーの消費効率がよいため、結果的に節電になります。明るさセンサーや自動消灯機能、デマンド監視システムなど、省エネ仕様のOA機器もたくさん開発されています。買い替えの際は、最新技術搭載の製品もチェックするのがおすすめです。

オフィスにコピー機・印刷機・ファックスなどがそれぞれある場合は、各機能を集約した複合機を1台導入すると節電になります。コストのかかる省エネ対策ではありますが、費用対効果は大きいでしょう。

まとめ

オフィスでの節電対策のなかでも、OA機器のエネルギー効率化に取り組んでいる企業事例をご紹介しました。

社員全員でこまめな節電活動に取り組む企業もあれば、改装・移転を機におおがかりな節電対策に打って出る企業もあり、それぞれが省エネ効果を発揮しています。

企業によって効果的な節電対策は異なりますが、まずオフィスのエネルギー使用量のモニタリングを始めるのはいかがでしょうか?どの季節・時間に電力使用量が多いか、どの部屋でどの程度エネルギーを使っているかなど数値で確認すると、現状に最適な省エネ対策が分かるはずです。
「地球環境に優しい企業」への次なる一歩として、ぜひ検討してみてください。

(ライター:佐藤 和代)

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