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エコのためのダイベストメントについて学ぶ!オンライン講座「Stay at home, Eco at home」開催レポート

2020.06.16

画像:350.org HPより引用

エコのためのダイベストメントについて学ぶ!オンライン講座「Stay at home, Eco at home」開催レポート

2020年6月11日、未来を創る組織のエコシフトを支援するOperation Green主催のオンライン講座の第4回を行いました!

エコシフトを実践する団体や企業の最前線で事業を推進するトップランナーを講師に迎えて全8回のこの講座の4回の講師は、 国際環境NGO 350.org 日本支部 支部長の横山隆美氏。

今回は「ダイベストメント」をテーマに、今や「気候危機」といわれる気候変動問題に対し、私たちが大企業や政府などへ意思表示するためにできるアクションを教えていただきました!

2.0℃の上昇でサンゴは99%死滅!この講座で学んだ3つのポイント

1.「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」という目標を掲げたのが2015年のパリ協定

この0.5℃の差は大きく、たとえば熱波に襲われる人口が、1.5℃では世界の人口の14%だが、2.0℃だと37%と17億人も増加サンゴの生息率も、1.5℃だと70%~90%減少し、2.0℃だと99%減少(壊滅的!)してしまう。そこで、世界の潮流は「1.5℃に抑えよう」となっている。

2. 温暖化はさらなる温暖化の原因となり、温暖化を加速させる。早く対策をとるほど、後世の負担が少なくなる。

パリ協定での対策がすべて行われたとしても、平均気温は3.2℃上昇する。それを阻止し、気温の上昇を1.5℃以内に抑えるには2030年までの10年でCO2排出量を45%削減しなければならない。

3. そのためにも1人1人の声を企業や政府に届けることが大事。1人の力は小さくとも欧州では学生の声が企業や政府を動かしている。ダイベストメントはその1つ。私たちもキャンペーンや署名、マーチに参加することで、気候変動対策を促す力になれる

詳しくは動画で!

当日の講座内容はこちらからご覧いただけます。ぜひどうぞ!

当日の資料もこちらから!

講師の横山さんから、当日の講座で使用した資料も共有していただきました。こちらもぜひご覧ください。(クリックするとPDFファイルをご確認いただけます)

あなたのメインバンクは、化石燃料事業に投資してませんか?「ダイベストメント」=私たちにもできる「意思表示」

「ダイベストメント」とは、一言でいうと「投資撤退」、投資家が企業やプロジェクトから資金を引き揚げることです

温室効果ガスを排出する石炭や化石燃料関連事業を行う企業に、銀行や投資家が資金を提供しなくなれば、その事業は運営できなくなるため、温室効果ガスの排出を抑制できます。

ダイベストメントの動きは、ESG投資(よき投資)の一環として世界で加速していて、ダイベストメントを宣言した団体は1195にも上り、その額は直近では1513兆円にもまた、世界14カ国42の宗教団体がダイベストメントを宣言しています(その額は554億円)。

このダイベストメントは、身近なことで、個人でも行うことできます。それが、銀行を選ぶ時に、石炭や化石燃料に関連する事業を行う企業に融資をしていない銀行を選ぶこと

もちろん、個人が所有する金融資産を、石炭や化石燃料関連事業を行わない銀行(クールバンク)に移しても、銀行にとってはさほど大きなダメージはありません。

しかし、ダイベストメントをする個人が増えて銀行の評判が下がり、個人が銀行を選ぶ基準が変わってクールバンクの口座が増えていると銀行に伝わることが大事だそうです。(「ダイベストしたいけど、クールバンクってどこの銀行?」と気になった方は350.orgのクールバンク一覧をぜひご覧ください!)

「今はカードの引き落としや、給与の振込などを設定もあり、全部移すのは大変かもしれませんが、一部を移して意思表示するだけでも重要です」と横山さん。

実は、日本のメガバンクは世界でも石炭火力発電への融資額が多いのですが、手数料が安く利便性も高いネットバンク(ソニー銀行やセブン銀行、楽天銀行、ジャパンネット銀行など)は、クールバンクなので、自分にもできるエコアクションとして、使う銀行を見直してみてはいかがでしょうか。

(ちなみに我が家のメインバンクも、もちろんクールバンクです!)

そして「銀行口座を変える」「移す」というダイベストメントができたら、ぜひ350.orgでダイベストメント宣言を!

ダイベストメント宣言はこちらから!

このダイベストメント宣言も、今や気候危機といわれる気候変動問題への対策を推進するために、自宅から参加できるアクションの1つ。

地球温暖化を促進するビジネスに、自分の預金が使われることないよう、日本の銀行の変化を促す動きに、ぜひ関わってみてください。

まだまだある!気候変動対策を進めるために、1人1人ができること

エコバックやマイボトルを使うなど、個人のライフスタイルを見直すことはもちろん、気候変動問題に対しては、大企業や国を動かすような大きなムーブメントに参加することも、とても重要です

「前回のグローバル気候マーチには、東京だけでも2800人集まりました。若い人も多くて、主張を展開していました。市民の声は伝わりつつあります。キャンペーンに参加する。マーチに参加する。寄付をする。こうした活動も、気候変動対策として個人ができるアクションだと思います」と横山さん。

そこで講座のなかで紹介してくださったのが、350.orgが現在取り組んでいる署名活動です。

ダイベストメントの動きが世界に広がる一方で、日本の3大メガバンクは、石炭火力発電開発企業に対する融資額で世界1位から3位を占めるとともに、現在もインドネシアのチレボン2石炭火力発電事業など多くの建設中の案件に融資を続け、気候危機の加速に大きく関わっています。

その3大メガバンクに、思いを届けるのがこの署名活動です。1分もかからずにできる未来のための第一歩、何かアクションをしたいと思っている方はぜひご参加ください!

→署名活動に参加する

「今の活動は懺悔の気持ちでやっています」そんな横山さんの言葉が重く響く…

今、世の中はコロナ危機が喫緊の課題とされていますが、気候危機は人類最大の危機です。そのために、脱炭素社会へ向けたダイベストメントは経済にとっても大きな転換となるために、質問タイムでは参加者から

「CO2削減の壁になるものは何でしょう?」
「ESG投資家、一般投資家へのアピール方法は?」
「原子力発電に対してどう思いますか?」
「火力発電からの撤退は営利企業にとっては大きな痛手。それが日本企業・経済にとってもプラスになるでしょうか?」

などの質問が相次ぎました。なかでも私が個人的に記憶に残ったのが、

なぜ保険業界からこの活動にシフトしたのですか?

という横山さん個人の活動に対する質問とその答えでした。横山さんは、外資系保険会社の社長を歴任した保険のプロフェッショナル。そんな横山さんが今、気候変動問題に取り組むNGOの活動に力を注いでいる理由が印象的でした。

「懺悔の思いからなんです

横山さんが就職された当時は公害が大きな社会問題となっていたため、保険会社を選んだのは、「公害を出さない企業を」という思いからだったそうです。

その後、アメリカ人の同僚が教えてくれた忘れられない言葉が、「企業人には3つの責任がある」ということ。1つは家庭、1つは仕事、そしてもう1つは社会に対する責任です。

「今までに仕事、家庭はまあまあできたのではと思うのですが、社会的な責任に対してはできていなかった。それがあって退職後350.orgのボランティアをやりました。そこから今に至るのですが、やらなきゃいけないのにできていないという思いがあります」

「やらなきゃいけないのに、できていなかった」これはまさに、社会全体に共通する一言ではないでしょうか。

10年後の2030年に、再び「やらなきゃいけないのに、できていなかった」ということがないよう、子どもたちや孫たちが熱波に苦しむことなく、サンゴの美しさに感動できる世界を残せるよう、まずは自分にできることから!と私も署名に参加してみました。

(レポート:Earth Company 小松 紀子)

 

講師プロフィール

国際環境NGO 350.org 日本支部 支部長 横山隆美

市民の力で地球温暖化の解決を目指す国際環境NGO。安心・安全な地球のために、ダイベストメント ? ESGによる100%自然エネルギー社会の実現に取り組む。東京大学経済学部卒業後、AIU(現AIG損害保険)に入社し財務部部長を務める。その後、アメリカンホーム保険会社とAIU保険会社の日本における代表者に就任し、2010年から2017年までは富士火災海上(現AIG損害保険)代表取締役 社長となる。2019年から350.org 日本支部代表に就任し現在に至る。

 


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